スカウト運動のはじまり

bp-010_Rこの運動の創始者はイギリスのベーデン・パウエル卿(以下B.Pと略す)です。 B. Pは1857年2月22日にイギリスで7人兄弟の5番目の子として生まれました。 B. Pの父親は牧師で、母親はW.H.スミス提督の娘であったことから信仰心も厚く、他方では新世界への移民の冒険心に富んだ血を受けていました。それで、彼は少年時代から兄だちとキャンプやハイキングをして野外生活を楽しみました。

B.Pは軍人時代に優秀なスカウト(斥候)であり、自らが体験したキャンプ生活や自然観察、自然体験を少年たちの旺盛な冒険心や好奇心と結びつけ、そこから開発したゲームや活動を通じて少年たちに自立心や協調性、リーダーシップを身につけさせ、社会に役立つ人材の育成をすることを目指しました。

 

net-470_Rそして、1907年、B.Pは「祖国イギリスの少年たちが力強い男性に育っていくことに自分が協力していかねばならない」との信念から、世界各地で得た自分の経験を基に少年向けの本を発行することにしました。しかし、いろいろ考えたことが「本当にうまく実行できるのか確かめたい」との思いにかられ自らが隊長となって、イギリスのブラウンシー島で20人の少年たちとともに実験キャンプを行い、この結果と自らの体験を基に『スカウティング・フォア・ボーイズ』という本を発行しました。そして、この本が発行されるとまたたく間に少年たちに読まれ、読んだ少年たちはそれを実行しはじめました。少年たちは周囲の大人たちに「僕たちはボーイスカウトになりたいから、隊長になってください」と申し出るようになりました。

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スカウト(scout)とは、軍隊での「斥候」という意味でしたが、B.Pは「平和のスカウト」として、「自ら率先して幸福な人生を切り開き、社会の発展に貢献する人」を少年たちが目指すことを説きました。ですから、「斥候」というよりは、「先駆者」(pioneer)という意味に動きをおきました。Brownsea_Island_first_Scout_camp